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2011年7月7日

三井物産クレジットコンサルティング株式会社
代表取締役 松本 和之

■ 与信管理を行うことで何が期待できるのか
「中小企業金融円滑化法」、「緊急信用保証制度」などの政策効果により企業倒産は前年度比減少傾向が続いているものの、東日本大震災の影響はこれから出てくるものと思われる上、資源高や不透明な国際金融市場等、今後は厳しい経済環境が予想されている。

「与信管理の重要性」を提言すると、「最近は大きな貸倒れが無いし、まずは売上アップが優先」との反応を頂くことも多い。しかし、この“大きな貸倒れが無い状態”が「与信管理をしっかりと行った結果」というよりは「たまたま最近は無い」という不安定な上に成り立っている企業が多いのではないだろうか。過度な営業拡大や無計画な取引増加は結果として自社の信用リスク増大につながる。

当然、企業にとって「与信管理」は、最小限の負担で最大の効果をあげることがベストである。しかし、「与信管理」は、取引先が多ければ多いほど難しく、企業の歴史が長ければ長いほど、長年良好な取引関係にある相手先をあらためて審査することに抵抗を感じる場合もあると思われる。目先の契約を優先した結果、いつの間にか未回収債権の山が築かれ、回収出来ない債権を目の前に呆然とする事態は避けなければならない。
ひとたび、未回収債権が発生したら直接的な収益への影響が甚大となることは言うまでも無く、対応に追われ、日常業務に支障を来たす可能性が極めて高い。

これらのことを考えると「与信管理」は審査/管理部門に任せっきりにするのでは無く、「この企業とどこまでの取引が可能か」「この企業と取引して大丈夫か」といった点を判断するために、経営者をはじめ、営業部門も含め全社的に取組まなければならないものである。

最近は取引先の信用状態を提供する様々な情報サービスが増えてきているので、既に何らかのサービスを利用している企業も多いのではないかと思われる。但し、単純にこれら情報を購入するだけでは宝の持ち腐れになっていると言える。なぜならこれらの情報は、与信管理を行う上でのツール(道具)であり、上手に使いこなせる人材や制度・規程が伴って、はじめて活きてくるからである。従って、サービスを利用している企業の中には、情報を購入することが目的となってしまい、情報を拡充したことによる安心感は得られるものの、「与信管理」は実現されず、費用負担の増加を招くだけの結果になっているケースがよくある。

自社にあった制度を構築し、効率的、客観的に「与信管理」を行うことこそが今求められている。これまでは経験則的な視点でおこなっていた「与信管理」を、客観性のあるものに精度アップしたいという要望をよく聞く。客観性を持たせるためには明確な与信判断の基準を持つこと、また、ツールを使いこなせる人材のスキル・経験を養成することが必要になる。特に、営業部門の「与信管理マインド」の高揚が不可欠であるが、これには経験者による研修などの形で地道に取り組むことが効果的ではないか。

リスク管理の優劣が企業の競争力に大きな影響を与える時代に、与信管理の一環として質の高い情報を収集することは当然のことであるし、信用保険やファクタリングを活用することも検討すべきであるが、最初からリスク管理のすべてを委ねきってしまうことは、主体企業の内部に知恵も経験も蓄積されぬことを意味し、長い眼でみれば分析能力もリスク感も養われぬままの、無防備な組織となってしまうであろう。「与信管理」が、これまでの個別問題案件の解決という局地戦から客観的・効率的な視点を備え、自社でのカルチャー浸透までをも達成出来れば、こうした経済環境の下でも経営者は「攻めの与信管理」が実現出来るであろう。

お蔭様で三井物産クレジットコンサルティング株式会社は2010年12月11日に旧スーパーネット・ソリューションズ株式会社から通算して10周年を迎えた。今後、私どもは提案力・コンサルテーション能力をより一層強化するとともに、使い勝手の良い「SMART与信管理サービス」を通じてお客様のご要望にお応えして行く所存である。 与信・債権管理研修のほか、審査体制構築に対するコンサルテーションや債権保全へのソリューションとしての取引信用保険等、様々なケースでお客様の与信・債権管理へのご支援が可能であり、まずはお気軽にご相談いただければ幸甚である。

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